医師の専門性と要求の違い

一度身につけたスキルや知識は一生のものであり、同じ診療科目で働いていけば違う病院で働いてもすぐに活躍できるようになると考える看護師もいることでしょう。この考え方は半分は正しく、半分は誤っているといえます。
確かに、同じ分野であれば共通して必要とされる知識が多いのは確かです。しかし、実際には現場で働いている医師の専門性によって、要求されるスキルや知識も異なっています。これは、医師の専門性によって患者が変わるからです。
同じ消化器内科であったとしても、勤務先の病院に勤めている医師が肝臓や膵臓の専門家ばかりになっていて、胃や腸の専門の医師がいなくて、非常勤でまかなっているという状況はよくあるようです。すると、患者としても肝臓や膵臓の疾患を持った人が多く、その分野でのスキルや知識が求められるようになります。
整形外科であれば、手の専門家や股関節の専門家など様々な専門性があります。ほとんどの診療科目では、医師がその分野内である部分に特化するようになっているので、どのような医師がいる現場で働くかによって患者の患っている疾患や患者の年齢層などに違いが生じ、看護師もそれに応じた働き方をしなければいけなくなるのです。
医療に関する知識だけでなく、日常的に行う検査や治療の内容にも雲泥の差があることもよくあるようです。転職をしたときに診療科目を変えない道を選んだのに、新人の看護師とほとんど変わらないほど勉強し直さなければいけなくなる場合もあるので注意しましょう。